産学官連携成果

産学官連携成果

 産学官連携・知的財産活動に係る成果事例について、以下の分類ごとに選定し紹介しています。
  分類A: 特許のロイヤリティ・ 特許の商品化・寄付講座・ベンチャー設立
  分類B: 地域活性化、町おこし・地域資源活用・産業拠点形成
  分類C: 大型外部資金
  分類D: 人材育成 

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事例紹介

成功事例分類
分類B:地域活性化、町おこし・地域資源活用・産業拠点形成
タイトル
水を抜かずに底泥を浚渫する生態系保全型底泥資源化工法の開発・実用化
サブタイトル

氏名
青井 透
学校名
群馬工業高等専門学校
所属学科等
環境都市工学科
職名
特命教授
プロフィール写真
共同研究者
本文
1.研究背景
 群馬高専内にある農業用ため池は、平成6年の赴任時には水を抜いて行った浚渫改修直後のため清澄でしたが、上流域の市街化進展により降雨に伴うゴミ・ヘドロ・砂泥の流入が激しく、急激な環境劣化が発生しました。そこで水を抜かない底泥除去方法を探しましたが、どこにもないことが分かり、学生達と長い時間をかけて独自に挑戦を続けました。その結果、実習工場で特殊な撹拌羽を試作頂き市販の水中汚物ポンプと組み合わせることにより、堆積ヘドロを撹拌し陸上に輸送するポンプが完成し活用出来ることが分かりました。それ以降、産学官連携により実規模で27件の実績を挙げています。

2.技術の概要
 人が乗れる小型台船に浚渫ポンプを懸垂して堆積ヘドロを撹拌後、100mのホースにより陸上の分離脱水装置に送液して、洗い砂・スクリーンゴミ・脱水土として回収し、上澄水は池に戻します。砂・ゴミ分離後の粘土シルトは、無機中性凝集剤で大きな粒子となり沈降分離後脱水機で脱水されフレーク状の脱水土になります。この脱水土は良質の培養土であり植物栽培に利用することができます。ゴミのみが廃棄物となり洗い砂は利用できます(図1を参照)。

図1 底泥資源化工法システムフロー
      図1 底泥資源化工法システムフロー


3.技術の特徴
・水を抜かないので何時でも施工可能
・生き物は逃げるため生態系は保全される
・スクリーンゴミ以外は資源として利用可能
・脱水土は栄養に冨み保水性が良いので培養土で利用できる
・設備はコンパクト、騒音臭気が発生しないので観光地でも適用できる(写真)

写真1 13年夏に浚渫した国宝松本城  写真2 松本城浚渫時の台船及び設備
写真1 13年夏に浚渫した国宝松本城   写真2 松本城浚渫時の台船及び設備


3.今後の展開
 これまでは公園景勝地等で採用されていますが、福島県内のセシウム汚染された農業用ため池で濃度が高い粘土シルトのみを選択的に回収して安定保管する技術も実証が済み、まもなく実用化される予定で。また、シジミが取れる汽水湖でヘドロ除去のニーズがあり適用を検討しています。分離底泥を一度河川水など淡水で洗浄することにより資源化が可能なので、適用範囲拡大に注力する予定です。


添付
特許出願番号
特願2005-340215
意匠登録番号

電話
027-254-9271
E-Mail
aoi*cvl.gunma-ct.ac.jp
ホームページ
http://www.gunma-ct.ac.jp/
掲載年度
2015年度