注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業(GEAR 5.0/COMPASS 5.0)こちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
環境・エネルギー
分類

タイトル
ナノバイオミメティックプロセスを用いた環境中フッ素化合物対策技術
氏名
袋布 昌幹
学校名
富山高等専門学校
所属学科等
専攻科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
歯の表面で生じる反応にヒントを得た「ナノバイオミメティックプロセス」をベースに、環境中のフッ素化合物の不溶化を可能とする機能性材料開発、およびこの応用技術群を開発する産学連携体の構築を行いました。KOSENの異業種連携スキームの事例として高い評価を受けています。
本文
<粒子表面を改質したリン酸カルシウム塩の開発>
 リン酸カルシウムの一種であるDCPD(リン酸水素カルシウム二水和物)はフッ化物イオンとの反応性が高いものの、反応に数時間の時間を有すること、種々の共存イオンの影響を受けるなどの問題がありました。これを解決する手段として、DCPD粒子表面に数十ナノメートルの前駆体粒子を誘起させる手法を開発、フッ素化合物のみならず鉛、カドミウムなどの同時評価を実現しました。(アメリカ,日本特許取得)。

リン酸カルシウム表面に誘起された前駆体相
(粒子断面の電顕写真)


DCPDを用いた環境技術の構築>
 環境分野でフッ素化合物に関する技術課題である土壌汚染対策において、DCPDの活用技術を産学連携で構築しました。NEDOマッチングファンドの補助を受けて異業種連携で技術開発を進め、現位置でフッ素汚染土壌を不溶化できる技術を開発しました(日本特許取得)。この成果等に対して,第3回モノづくり連携大賞特別賞を受賞しました。

フッ素汚染土壌の現位置不溶化(実証試験)

今後の展開
 材料開発,製造から応用技術まで、国内外数十社との連携体制を構築し、現場のニーズに合わせた機能性材料の性能改善を進めています。この連携スキームを活用し、水処理や廃棄物処理等への展開を進めていきたいと考えています。
その他特記事項

電話
076-493-5402(代表)
E-Mail
tafu*nc-toyama.ac.jp
ホームページ
http://www.nc-toyama.ac.jp/, http://www.ecotech-tnct.jp/
掲載年度
2013年度