注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
ライフサイエンス
分類

タイトル
小児から高齢者まで,人にやさしい医療・福祉デバイスに関する研究
氏名
谷口 浩成
学校名
津山工業高等専門学校
所属学科等
電子制御工学科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
本研究室では、人にやさしい医療・福祉デバイスの研究をしています。ここでは、形状記憶合金人工筋肉を用いた小児用動力義手に関する研究と、高齢者の自立を支援するリハビリテーション機器に関する研究について紹介します。
本文
形状記憶合金人工筋肉を用いた小児用動力義手
 小児用義手は、小児のバランス改善や早期に義手を装着することで高度な操作技術を身に着けやすいなど、小児の成長を補助する効果が期待されています。しかし、義手が重く小児に負担を与えるなどの問題があり、小型・軽量でさらには駆動時に騒音を発しない高い静粛性が望まれています。そこで本研究では、駆動源に小型・軽量・高出力な特性を有する形状記憶合金(SMA)人工筋肉アクチュエータを用いた小児用動力義手を開発しています。本義手は、指の開閉動作に加え、手首の屈曲・伸展と前腕の回内・回外の機能を追加することで、より人間の機能に近い動きを可能とすることを目指しています。

写真1 小児用前腕動力義手 
         写真1 小児用前腕動力義手      

手指関節拘縮予防リハビリテーション機器
 従来、手指関節のリハビリは作業療法士によって施術されます。施術は、部位に生じているむくみや筋肉のこわばりを取り除く筋ストレッチングを実施した後、関節可動域(ROM)訓練を行います。しかしながら、作業療法士が施術できる時間は限られており、患者は十分なリハビリを受けられないことがあります。そこで本研究では、空気圧ソフトアクチュエータを用いることで、筋ストレッチングの動作とROM訓練も行うことのできる手指関節用のリハビリ装置を開発しています。

写真2 手指関節リハビリ機器の様子

         写真2 手指関節リハビリ機器の様子

今後の展開
 どちらの装置も試作・動作性能検証を経て、問題点の改善を実施しています。今後は、小児用義手ではモデルケースによる義手の機能試験の実施、リハビリ装置ではリハビリ効果の検証試験へと進めていきたいと考えています。


その他特記事項

電話
0868-24-8273
E-Mail
taniguti*tsuyama-ct.ac.jp
ホームページ
http://www.tsuyama-ct.ac.jp/taniguti/index.html
掲載年度
2015年度