注目研究

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 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

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事例紹介

研究分野
計測・分析
分類

タイトル
非破壊検査法 および 光機能材料の研究
氏名
二見 能資
学校名
熊本高等専門学校
所属学科等
生物化学システム工学科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
環境調査や製品点検、健康診断など “検査”は様々な場面で行われています。これらの検査は、簡便、迅速、そして、非破壊であることが望まれます。私は現在、測定対象を傷つけずに測定する非破壊検査法の向上を目指し、「光と物質の相互作用」と「光機能材料の開発と応用」を研究しております。
本文
近赤外分光分析のためのスペクトル解析法の研究
 “近赤外分光分析法”は、可視光より波長が長い光(800~2500 nm)である近赤外光を用いた分析法です。この波長域の光は、指先程度は透過します。最近では、空港での手荷物検査時のペットボトル飲料の検査、皮膚の血流量の測定に用いられています。
 この分析法で重要となるのが、近赤外光の波長毎の透過性を示した図である“スペクトル”です。このスペクトル形状は、分子間相互作用によって変化し、検査結果に影響します(図1)。私はスペクトル形状と分子間相互作用の関係を研究しています。

  図1 スペクトル形状と分子間相互作用
           図1 スペクトル形状と分子間相互作用

放射線透過分析のための光機能材料の研究
 “放射線透過分析法”は、可視光よりも波長が短い光(0.001~10 nm)であるエックス線やガンマ線などの放射線を用いた分析方法です。この波長域の光は、人間の胴体程度でも透過します。レントゲン撮影、空港での手荷物検査時のカバンの中身の検査に用いられています。 
 放射線は透過性が高く、検出が難しい光です。しかし、放射線量を増やすと、検査対象を傷つけることがあります。私は、なるべく弱い放射線量を高感度に検出する為の シンチレータ材料の開発に取り組んでいます(図2)。

  図2 シンチレータ材料
            図2 シンチレータ材料

今後の展開
 「光と物質の相互作用」と「光機能材料の開発と応用」の研究を通して、より簡便で迅速、そして、高精度な非破壊分析を実現して生活の向上を目指します。

その他特記事項

電話
0965-53-1211(代表)
E-Mail
futami*kumamoto-nct.ac.jp
ホームページ
http://y-page.y.kumamoto-nct.ac.jp/u/futami/
掲載年度
2015年度