注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業(GEAR 5.0/COMPASS 5.0)こちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
ライフサイエンス
分類

タイトル
熱によるがん治療~がん患者の生活の質向上をめざして~
氏名
児玉 謙司
学校名
奈良工業高等専門学校
所属学科等
機械工学科
職名
講師
プロフィール写真
概要
体内で発熱する安全なインプラント材料の開発、そして発熱させるための高周波機器の開発をテーマとして、産学官・医工連携チームでとりくんでいます。本研究開発を通じて、副作用の極めて少ない熱によるがん治療の実用化を目指します。多くのがん患者の生活の質向上に貢献できるよう取り組んでいます。
本文

がん治療の現状と患者の生活の質
 がん治療に伴う副作用は、患者の生活の質を著しく低下させています。化学療法では白血球減少等による免疫低下、放射線療法では幹部周囲への正常細胞の被ばくによる遺伝子損傷が生じてしまいます。これらは例えば脱毛、消化器系不全等の症状としてあらわれ、心身ともにダメージを受け続けます。

 継続的に治療をうけているがん患者は、日本国内におよそ150万人以上存在しています。その数は長寿命化が進むとともに、将来も増加すると考えられています。このような現状において、副作用が少なく効果的ながん治療の実用化が求められています。
産官学、医工連携によるがん治療研究の推進

 がん細胞は正常の細胞に比べ熱耐性が弱いことが分かっています。患部を適切に加熱することができれば、がん治療が可能となるのです。

 がんを発症したマウスに金属材料を埋め、体外から交流磁場を与えることで、材料を発熱させ、がん治療に効果があることを確認しました。現在人体に利用できるインプラント、そして小規模医院でも導入できる小型高周波機器の実用化を目指しています。開発では材料・加工・電気分野の工学、そして医学の力が不可欠です。そのため奈良高専、奈良先端大、奈良県立医科大、奈良県そして企業のプロフェッショナルの力を結集して一歩ずつ課題解決に取り組んでいます。

 図1 注射針先端と発熱インプラント 図2 マウス治療実験(交流磁場印加)
  図1 注射針先端と発熱インプラント   図2 マウス治療実験(交流磁場印加)


 図3 効果検証(矢印内に効果あり)
   図3 効果検証(矢印内に効果あり)

今後の展開
 実用展開するために、安全面や法的な基準についてクリアし、まず臨床段階に進むことを目標にしています。5年内を目途に実用化を目指します。

     図4 本研究の全体像と目標

       
図4 本研究の全体像と目標

その他特記事項

電話
0743-55-6075
E-Mail
kodama*mech.nara-k.ac.jp
ホームページ
http://www.nara-k.ac.jp/seeds/top.html
掲載年度
2015年度