注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
機械
分類
一般研究
タイトル
圧倒的なコスト競争力と把持機能を有する無動力型空気圧駆動義手
氏名
西川 弘太郎
学校名
津山工業高等専門学校
所属学科等
総合理工学科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
従来の筋電義手のような電気エネルギーを使用しない、全く新しい空気圧駆動義手を提案します。本義手は使用者の運動を利用して電気エネルギーやコンプレッサを含む外部動力源なしに義手を空気圧駆動するものです。
本文

<社会課題>

  • 近年,高い装飾性と把持機能を持つ「筋電義手」が注目
  • 筋電義手は,重量が大きくコストが高いため,社会に普及していない
  • 普及している義手の約9割は,把持機能のない「装飾用義手」
  • 軽量・安価で高機能な義手が必要とされている
  • 3Dプリンタを利用した筋電義手が開発研究されているものの,高コスト
  • モーター等の電動アクチュエータを用いた筋電義手は,バックドライバビリティがないため,柔軟把持ができない
  • 筋電義手は,電気エネルギーが必須
  • 電動アクチュエータは水に弱い

<シーズの内容・提供できること>

  • 空気圧駆動による本体の軽量化および柔軟把持の実現
  • 電気エネルギーやコンプレッサ等の外部動力源を使用しない無動力型
  • 柔軟物から重量物までの幅広い対象物の把持が可能
  • 3Dプリンタを利用することによる軽量・低コスト化

  • 要素技術
    • フルードパワー(空気圧)
    • ラピッドプロトタイピング
    • ソフトアクチュエータ(ベローズ)
    • 可変コンプライアンス制御
    • 非電動
    • 無動力

<もたらされる効果~想定する活用例や市場等

  • 空気の圧縮性に起因するバックドライバビリティにより,ハンドの指関節自体を人間のように柔軟にできます。
  • 筋電義手では把持できない柔軟対象物の把持に成功しました(紙カップに盛り付けた菓子)。
  • 従来の空気圧システムには電気エネルギーやコンプレッサを必須としていましたが,無動力システムにより,それらは不要となりました。
  • 軽量化できます。
  • 低コスト化できます。
  • 空気圧アクチュエータは水に濡れても電動アクチュエータのような故障の心配はありません。

図Z

西川先生図4

図X

詳細資料 

リサーチマップ https://researchmap.jp/nisikawa

その他特記事項
特許 第7078926号  能動義手
電話
042-668-5495  (KRAセンター)
E-Mail
KRA-contact@kosen-k.gp.jp
ホームページ
https://researchmap.jp/nisikawa
掲載年度
2022年度