注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業(GEAR 5.0/COMPASS 5.0)こちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
環境・エネルギー
分類
一般研究
タイトル
大気圧プラズマによる農産物の革新的かつ高度殺菌・残留農薬除去技術
氏名
柳生 義人
学校名
佐世保工業高等専門学校
所属学科等
電気電子工学科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
農産物の新しい殺菌法として「プラズマ殺菌」を提案し,マイルドな大気圧プラズマ照射を基盤技術とした常温かつドライな環境下での革新的かつ安全安心な高度殺菌・残留農薬除去システムの研究・開発に取り組んでいます。
本文

<社会課題>

  • 柑橘類を収穫した後,殺菌・消毒を行う有効な手段がない
     ➡ポストハーベスト農薬の禁止     ➡各国で残留農薬濃度の厳しい規制
  • 腐敗果が感染源となり被害拡大
     ➡低価値化    ➡産地のイメージダウン    ➡貯蔵ロス,輸送ロス
  • 農薬(化学物質)の散布・添加物への懸念
     ➡消費者の健康志向や安全志向の高まり    ➡付着菌が残存することによる発病リスク

<シーズの内容・提供できること>

  • 温州みかんを損傷しないマイルドなプラズマ殺菌技術を開発
  • ミドリカビ病菌胞子は1秒で約90%減少(初期菌数の1/10),3秒で約99%減少(初期菌数の1/100)
  • 生産現場のニーズに合致した実用的なプラズマ殺菌技術の提供: ローラーコンベア型,ベルトコンベア型プラズマ殺菌装置
     ➡既存施設への導入が容易    ➡搬送に殺菌という付加価値を付与

  • 要素技術
    • 大気圧プラズマ殺菌技術
    • ユニークなプラズマ生成用電極
    • プラズマ殺菌能を有した選果機の製作および改良

<もたらされる効果~想定する活用例や市場等>

  • プラズマ殺菌による収穫後の柑橘に対する「安全安心」な農産物の提供
  • プラズマ殺菌による腐敗の抑制に伴う貯蔵ロス,輸送ロスの改善
  • プラズマ殺菌による革新的な鮮度保持技術による価値の創生
     ➡高品質果実の長期貯蔵による周年供給の実現    ➡長距離輸送,輸出の実現
     ➡輸入/輸出農産物の残留農薬除去    ➡競争力の強化・向上

柳生先生図1

詳細資料 https://shingi.jst.go.jp/pdf/2014/zenkoku-kosen06.pdf

リサーチマップ https://researchmap.jp/y.yagyu

その他特記事項
特許 第6270032号  プラズマ殺菌装置
   第6810938号(WO2016-190436) プラズマ殺菌装置
電話
042-668-5495  (KRAセンター)
E-Mail
KRA-contact@kosen-k.gp.jp
ホームページ
https://researchmap.jp/y.yagyu
掲載年度
2022年度