産学官連携成果
産学官連携成果
産学官連携・知的財産活動に係る成果事例について、以下の分類ごとに選定し紹介しています。
分類A: 特許のロイヤリティ・ 特許の商品化・寄付講座・ベンチャー設立
分類B: 地域活性化、町おこし・地域資源活用・産業拠点形成
分類C: 大型外部資金
分類D: 人材育成
注:記事内のE-Mail表記につきまして、スパムメール対策として「@」を「*」で表記しておりますので、お問い合わせの際には「*」を「@」に修正のうえ、送信をお願いいたします。
分類A: 特許のロイヤリティ・ 特許の商品化・寄付講座・ベンチャー設立
分類B: 地域活性化、町おこし・地域資源活用・産業拠点形成
分類C: 大型外部資金
分類D: 人材育成
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事例紹介
成功事例分類
分類B:地域活性化、町おこし・地域資源活用・産業拠点形成
タイトル
超食感「もちもちまぐろ」の開発と商品化
サブタイトル
-南紀勝浦からマグロ革命-
氏名
藤本 晶
学校名
和歌山工業高等専門学校
所属学科等
電気情報工学科
職名
教授
プロフィール写真
共同研究者
木下 勝之(木下水産物株式会社)
本文
1.研究背景
和歌山県の那智勝浦は、生マグロ水揚げ日本一を誇っています。ここで水揚げされるマグロの70%を占めるビンチョウマグロは淡泊な味で好まれますが、他のマグロに比べて比較的安価で取引されており、新たな価値を付与して商品価値を高めたいという強い要求がありました。
2.もちもちまぐろの開発
このビンチョウマグロに新たに「もちもち感」を与えて、これまでに無い新たな食感のマグロを創り出し、和歌山の新たな特産品にするのがこの研究の目的です。従来から魚肉に含まれる水分(ドリップと称する)を減少させることで、歯応えが増すことが知られていましたが、これをマグロ肉に応用するために、種々の脱水方法を試み、独自の脱水処理技術により、マグロ肉のドリップを効果的に減少させることに成功しました。
図1は、見出した方法でドリップを減少させた際の処理時間と、肉のもちもち感の感性評価値との関係を示したものです。この図より、処理時間によってマグロ肉のもちもち感が変化しており、処理時間を選ぶことにより種々のもちもち感を持つマグロ肉を提供できることが判ります。
もちもちまぐろの脱水技術の目処が立ったことから、商標登録と特許出願を終えた平成25年12月10日に、那智勝浦町の南紀くろしお商工会を会場に「もちもちまぐろ」の技術発表会と試食会を開催し、報道陣にこの技術を公開して好評を博しました。発表会の様子はNHKやテレビ和歌山、そして地元紙面で大きく取り上げられました。
3.商品化に向けて
その後、生産性および作業性の向上を目指して種々試行錯誤を続けた結果、平成25年末に商品化の目処をたてることができました。商品化に向けてロゴマーク、パッケージの選定が終わった平成26年2月25日に、前回と同じく南紀くろしお商工会を会場に「もちもちまぐろ」の商品発表会と試食会を開催しました。発表に際してのキャッチコピーは「南紀勝浦からマグロ革命!! 超食感『もちもちまぐろ』」としました。
この発表会でも朝日新聞、読売新聞、中日新聞、それに熊野新聞、紀南新聞、紀伊民報の地元各紙に取材いただき、新聞紙面で大きく報道されました。またテレビでもNHKのニュースや「あすの和」の番組で、民放では毎日放送の番組「朝ズバ」、および讀賣テレビの番組「朝生ワイド す・またん!」+「ZIP!」でも紹介いただきました。
4.市販と今後の展開
当面は飲食店等の業者向けに販売を行い、平成26年3月中旬より大手スーパーへの納入が始まります。個人向けには、木下水産物の店頭での個人向けのモニター販売を予定しています。新聞、テレビで大きく取り上げられたこともあり、現在までに多くの引き合いをいただいています。私共の開発した「もちもちまぐろ」が和歌山県の新たな特産品になることを期待します。
なお、この研究開発に当たっては、全国商工会連合会のご支援をいただきました。関係各位にこの場を借りて感謝の意を表します。
添付
図1 もちもち感の処理時間による変化
写真1 もちもちまぐろを用いた調理例
写真1 もちもちまぐろを用いた調理例
特許出願番号
「魚肉の処理方法」特願2013-241289
意匠登録番号
「もちもちまぐろ」 第5635643号
電話
0738-29-8373
E-Mail
fujimoto@wakayama-nct.ac.jp
ホームページ
http://www.wakayama-nct.ac.jp/
掲載年度
2013年度