注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
製造技術
分類

タイトル
農業初心者のための技術継承マニュアル、収穫予測システムの開発
氏名
村上 幸一
学校名
香川高等専門学校
所属学科等
電気情報工学科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
新規就農者や農業初心者は、農業熟練者に比べて農作物の栽培ノウハウが未熟であることが多く、また経験が浅いために、農作物の収穫量や収穫時期を正確に把握することができません。本研究では、これら農業初心者の抱える不安・問題点を解消するために、技術継承マニュアルと収穫予測システムを開発し提供します。
本文
<アイカメラを活用した動画マニュアルの作成>
 農業熟練者の視野・視点の動きを記録した動画マニュアルを作成中です。これにより熟練者のノウハウを農業初心者にわかりやすく伝えることが可能となります。将来的には農業初心者と熟練者の視野・視点の差異を検証し、農作業効率化に向けたポイントの分析を行います。

アイカメラ画像の一例


<農作物の収穫予測システムの開発>

 収穫予測システムは、農作物の収穫量、収穫時期の予測を行うシステムです。営農者が記録する栽培記録データと、フィールドセンサーから取得する環境・生育データから、生育に関する相関関係を抽出し、農作物の収穫量、収穫時期の予測を行います。既に開発済みの、農作業の自動スケジュールシステム(定植日の入力により、収穫予定日までの農作業スケジュールを自動的に生成するシステム)をベースに、現在開発中です。

収穫予測システムの概要


<今後の展開>
 本研究チームでは、提案システムによる新規就農者の参入を促すとともに、最終的には「農業経営の安定化・収益性の向上」を目標に掲げています。現在多くの営農者が行っているJAとの取引は、一括買い取りの上,その時期の相場で代金が支払われるため、営農者が価格交渉を行うことができません。そこで本研究チームでは、農業経営の安定化のためには、大口顧客などとの契約栽培を促進する必要があると考え「契約栽培マッチングシステム,サーバ,方法およびプログラム」を提案しました(特願2013-90886)。現在開発中の収穫予測システムは、特許出願中の「契約栽培マッチングシステム」の中核システムとしても、その活用を期待しています。
その他特記事項

電話
087-869-3917
E-Mail
murakami*t.kagawa-nct.ac.jp
ホームページ
http://murakami-lab.com
掲載年度
2013年度