注目研究

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 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

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事例紹介

研究分野
情報・通信
分類

タイトル
スパース表現の応用と並列演算による高速化に関する研究
氏名
黒木 祥光
学校名
久留米工業高等専門学校
所属学科等
制御情報工学科
職名
准教授
プロフィール写真
概要
信号のスパース表現とは、与えられた信号を、予め準備された信号の線形結合で近似する方法であり、できるだけ少数の信号で近似するため、スパース(疎)と言われています。スパース表現の応用として多視点動画像符号化に適用する方法、また、スパース問題の解法をGPUやCPUの並列計算で高速化する手法を検討しています。
本文
スパース表現による多視点動画像の符号化
 映像素子の低価格化に伴い、複数のカメラを用いたディジタルアーカイブや幾何情報の計測が安価に実現できるようになりました。動画像符号化の国際標準MPEGシリーズは、符号化済みの画像を用いて着目画像を予測する動き補償予測と、予測残差にDCTを施す、ハイブリッド符号化を用いています。動き補償予測を複数ブロックの線形結合に一般化したLIC、予測残差に対するDCT、およびMPEG-4 AVCのフレーム内予測、以上の処理を1つのスパース問題に統合し、従来法よりも着目画像の予測精度を向上させました(図1)。

図1 近似画像のPSNR
    図1 近似画像のPSNR

スパース解法の並列演算による高速化
 スパース解法は計算負荷が大きいといわれています。本研究ではGPUとCPUの複数コアを用いて準最適解法AIHTを並列化しました(H24~26年 科研費基盤C)。図2のとおり、提案法は最大で約6.2倍の高速化を実現しています。また、本研究の前段階として、ディジタルシネマの標準圧縮方式JPEG2000のウェーブレット変換を並列化し、17倍の高速化を実現しています(知的クラスター創生事業第II期)。

図2 処理時間の比較
    図2 処理時間の比較

今後の展開
 計算機の発展は複数コアを用いた並列演算に移っています。撮像素子も微細加工技術の発展により、入射光線の色情報だけでなく方向も記録するライトフィールドカメラが発売されています。現在、スパース表現を用いたライトフィールドカメラ画像の符号化(H27~29年 科研費基盤C)、画像修復やパターン認識などについて研究しています。















その他特記事項

電話
0942-35-9392
E-Mail
kuroki*kurume.kosen-ac.jp
ホームページ
http://www101.cc.kurume-nct.ac.jp/profile/CIS/kuroki.html
掲載年度
2015年度