注目研究

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 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

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事例紹介

研究分野
情報・通信
分類

タイトル
ディジタル信号処理を用いた高速伝送回路とその調整技術に関する研究
氏名
飯島 洋祐
学校名
小山工業高等専門学校
所属学科等
電気電子創造工学科
職名
助教
プロフィール写真
概要
集積回路などの半導体回路の高性能化に伴い、それら半導体チップ間を結ぶ配線の通信速度の遅れがシステム全体の性能を律速させる原因になっています。本研究では、半導体集積回路チップ間を結ぶプリント基板などの電気配線における通信の高速化を実現するために、ディジタル信号処理技術を駆使した伝送技術および回路調整技術の研究を進めています。
本文
プリント基板配線における高速ディジタル通信特性の評価
 通信速度の高速化に伴って、半導体集積回路チップ間を結ぶプリント基板配線等の電気配線の振る舞いが複雑化します。具体的には、電気配線は高周波数の信号を減衰させるローパス特性を示すため、受信端で電気信号に歪みが生じてしまいます。本研究では、集積回路チップ間などの電気配線における実測に基づくシミュレーション技術を構築し、数ギガビット/秒以上の通信速度における種々の伝送方式での通信性能を評価してきました。

ディジタル信号処理による波形整形技術を適用した高速伝送回路開発
 本研究では、ディジタル信号処理によって配線による信号波形の歪みを補正する波形整形技術の研究を進めてきました。特に、多値伝送技術と組み合わせた高速ディジタル通信の検討を進め、回路実装コスト等の面で効率化が可能なことを明らかにしてきました。現在は、主にその回路実装方法と回路調整技術の研究を中心に進めており、再構成可能ハードウェアを用いた回路試作を進めています。

今後の展開
 配線による悪影響を完全に除去するためには、配線の振る舞いに応じた伝送回路の調整が必要になります。本研究では、無線による補助通信を用いた高速伝送回路の調整技術の開発を進めており、配線の振る舞いに応じて常に最適な通信が実現可能なアルゴリズムおよび回路技術を開発しています。

図1 プリント基板などの電気配線における高速ディジタル信号伝送
  
図1 プリント基板などの電気配線における高速ディジタル信号伝送

図2 実測でのプリント基板配線における高速ディジタル通信の評価
  図2 実測でのプリント基板配線における高速ディジタル通信の評価

 
その他特記事項

電話
0285-20-2262
E-Mail
yiijima*oyama-ct.ac.jp
ホームページ
http://www.oyama-ct.ac.jp/D/iijimaken/
掲載年度
2015年度