注目研究

注目研究

 国立高専の注目研究を、ライフサイエンス、環境・エネルギー、製造技術、材料・装置デバイス、機械、建築・土木、情報・通信、計測・分析、自然・科学、人文・社会の10の分野に分けて紹介します。

 

研究ネットワークについて日本全国に設置された51の国立高専に所属する研究者がネットワークを形成して、さまざまな分野で新産業につながる研究開発を行っています。全国各地で研究している研究者が連携することで、難解な技術問題に対して複合融合的なアプローチを行い、答えを見いだします。

GEAR5.0(研究成果の社会実装を通じた技術者教育の高度化)についてこちらをご覧ください。

高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業(GEAR 5.0/COMPASS 5.0)こちらをご覧ください。

事例紹介

研究分野
ライフサイエンス
分類
一般研究
タイトル
琉球松抽出物の食物アレルギー抑制効果(GEAR5.0ライフサイエンス拠点構築)
氏名
池松 真也
学校名
沖縄工業高等専門学校
所属学科等
生物資源工学科
職名
教授
プロフィール写真
概要
沖縄の生物資源を次世代シーケンサーとバイオインフォマティクスの技術を用いて科学的根拠を基に社会実装していく。その際のキーワードは「がんと免疫」。
 
参加高専:苫小牧・鶴岡・長岡・和歌山・宇部・新居浜
本文

<社会課題>

  • 食物アレルギーによる有病率は年々増加
  • 即時型食物アレルギーは幼児期に極めて高い
  • 乳幼児期に発症した食物アレルギー児は、その後、喘息、アトピー性皮膚炎といった症状を高頻度に発症する“アレルギーマーチ”をたどるリスクが高い
  • したがって、乳幼児期のアレルギー症状の抑制法の開発が必要
  • 一方、街並みを形成する松などの街路樹から派生する落ち葉の適当な処分法はなく、ほとんどが産業廃棄物として処分されている
  • この様な落ち葉を有用物に変換し、リサイクルことも求められている

 

<シーズの内容・提供できること>

  • 琉球松(リュウキュウマツ)の熱水抽出物に食物アレルギーを抑制する効果があることが示唆された
  • また、リュウキュウマツが日本最南端の固有種である一方、最北端の固有種であるアカエゾマツにも同様に小児アレルギーを抑制する効果があることが示唆された
  • 両方のマツの詳細な作用機作は異なるが、マスト細胞の活性化及びエフェクター物質の産生と脱顆粒の抑制が双方の機能性と示唆されている
  • 液状、粉末などとしてサンプル提供可

 

  • 要素技術
    • 動物実験(マウス)
    • 次世代シーケンサー
    • RNA-Seq
    • バイオインフォマティクス
    • ELISAによる評価

 

<もたらされる効果~想定する活用例や市場等>

  • 食物アレルギーを抑える、もしくは緩和することができる
  • マツの落ち葉、中でもリュウキュウマツやアカエゾマツの落ち葉をリサイクルして有効活用することができる

  

粘膜型マスト細胞誘導系を用いたマツ抽出物のアレルギー抑制作用の検討

池松先生A1

結果 RNA-Seq による発現量解析

池松先生A2

池松先生A3

 

リサーチマップ:https://researchmap.jp/read0151479
池松研究室HP:https://sites.google.com/site/ikmtlab/
GEAR5.0ライフサイエンス拠点構想:https://gear5-okinawa.jpn.org/index.html

池松先生①

その他特記事項
特許 出願中
電話
042-668-5495  (KRAセンター)
E-Mail
KRA-contact@kosen-k.go.jp
ホームページ
https://sites.google.com/site/ikmtlab/
掲載年度
2024年度